今回からクロス濃度の決定方法が一部変わります。
それぞれの祖先が持つ濃度と計算法は変わりませんが、父側については17年に付けた一番新しい種牡馬の活性値を最後に掛けて結論の値とします。
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セレクトセール2019・1歳馬母MAX活性産駒編(2)
104 トピカIIの18(牡)
父 モーリス
→ぎりOK2日
0日 3番仔
【 優先祖先 】 母トピカ 芝マイル
【 基礎体力 】 ☆☆84
父側と母側で絶妙にクロスを避け、まずまずの配合内容になっています。
まずサドラー活性は父モーリス内のカーネギー経由で
0.25×0.25×1.5(←ここが新しいポイント)=0.09375<0.125
となり、無効扱いでOKです。
またこの計算式から、モーリスは今後MAX活性期においてもサドラー(かつNorthern Dancer)の活性が0.125以下であり、生涯を通じてNorthern Dancerの弊害から逃れられる種牡馬だと言えます。
もうひとつDanzigの活性は母側がデインヒル経由なのでゼロ活性となり、母内で収束しているヌレイエフクロスさえ気にならなければ、クロスに関してはほぼ合格です。
母父Whipperの活性が高く、適性は母似のマイラーと思われます。
動画でもかなり厚みを感じる馬体で、歩様はまあまあ。
素軽くはありませんが、落ち着きはありますね。
128 ウィケットキーパーの18(牡)
父 ロードカナロア
→ぎりBAD9日
+2日 3番仔
【 優先祖先 】 Nearctic(1954) マイル
【 基礎体力 】 ★59
こちらも新手法で計算すると、ミニマム期ロードカナロア直系のミスプロ活性は
0.75×0.5×1.5×0.25=0.1406…>0.125
となり、基本ロードカナロアからミスプロの活性が消えることは生涯に渡ってあり得ないことがわかります。
よって本馬にはミスプロとNorthern Dancerクロスが残るため、弊害に注意しながらの競走になります。
動画では体に白いところがなく、トモがパンとしてコロンとまとまったマイラー系に見えるので一瞬「あ、カナロアの仔だ」とも思うのですが、優先はNearcticでそこから短距離系の格好がもろ出ている感じです。
129 ビキニブロンドの18(牝)
父 スクリーンヒーロー
→OK
なし 2番仔
【 優先祖先 】 3代母ソニンク 〜芝マイル
【 基礎体力 】 ★72
3代父MachiavellianがMAX活性で、基本何を付けてもこのMachiavellianに負けるため短距離馬(そして黒っぽい馬)が出てきます。
また本馬は父内、母内で完結するクロスをたくさん持っており目がチカチカしますが、気になるのはやはりサンデーの3×4。
アドマイヤベガはサンデーミニマム期のダービー馬で、優先がトニービンの母系へと流れる欧州系。それでも祖母モンローブロンドに対して0.25×1.25=0.3125のサンデー活性が残るので、無傷とは言えません。
動画では胸前の方ががムキムキしていかにもパワーがある感じ。
悪い印象はありませんが、はたして精神面がどうか。
138 ブギーダモーレの18(牝)
父 Dark Angel
→OK
なし? 3番仔?
【 優先祖先 】 母ブギーダモーレ 芝マイル〜
【 基礎体力 】 ★★72
父Dark Angelは短距離馬でしたが、本馬は母似なのでもうちょっと距離が保ちそうでです。
母のブギーダモーレはフェデリコ・テシオの故郷イタリアでドルメーロ賞(!)など4勝し、その後仏や英にも遠征した活躍馬。
同じくイタリアのG1を勝ったマイラー、Efisio(1982)の影響が強いと思われます。
5代中にクロスがなく、4系統配合もNorthern Dancerの切れたデインヒル系、フォルリ(ハイオペリオン)系、タンティエーム(テディ)系、プリンスリーギフト(ネアルコ)系とバラエティに富んだ組み合わせ。
もちろん社台は繁殖用に導入したと思いますが、母もそしてこの娘もかなり面白い存在です。
実際の馬を見るともうちょい元気が欲しい気はしますが、首を使えて前肢の出も良く、及第点の歩様。
イタリアの香りがする母仔を覚えておかれるといいでしょう。
139 グローリアスデイズの18
父 ロードカナロア
→OK
+2日 11番仔
【 優先祖先 】 Fairy Bridge(牝・1975)
【 基礎体力 】 ★81
期待ほど走ったかというとそうでもない母の産駒ですが、この仔で2回目のMAX活性を迎え、そろそろ総決算の時期です。
母はどんな父を付けてもNorthern Dancerやサドラーの影が強くて、消し去ることができませんでした。
自身、バレークイーンにトニービンを付けてサンデー締めですから、ある程度配合内容が狭められるのは仕方がありませんが、それにしてももうちょい気の利いたお相手はいなかったものかと思います。
ひとつ上の17年産ピエルフ(父エピファネイア)なんてサンデーの2×4ですからね。もっともエピファネイアですからサンデーはゼロ活性ですけど、代わりにこっちはサドラーが死ぬほど強いので。
と思っていたら19年産が父ドレフォンで5代アウトブリード!
遅いよ!
140 タバサトウショウの18(牡)
父 リオンディーズ
→ぎりOK0日
なし 12番仔
【 優先祖先 】 母タバサトウショウ 芝マイル
【 基礎体力 】 ★81
すごいねぇ、母は3回目のMAX活性到達ですか。
正直競走馬としてはどうかと思うけど、これはもう素直に拍手モンですわ。
ミニマム期にスイープトウショウを出したのが18年前。
MAX期じゃないところが母のポテンシャルの高さを如実に物語っています。
代々のダンシングブレーヴやトウショウボーイといった一流種牡馬が劣性期であることがミソで、優先はトゥルビヨン系のLuthierへ。
これが傍系のタフさを生んでいるのか、男勝りのスイープトウショウが出たり、ダートで40戦以上走ったトウショウデザイア、トウショウフリークが出たりと、一風変わったファミリーでした。
でも今一番面白そうなのは、あまり活躍できなかったけど繁殖入りしてポテンシャルを示し始めた後期の牝馬たち。
本馬も牝馬なら逆に導入したい人がいたのでは…。
動画ではもう少し歩くことに集中して欲しい感じで、まだまだ若さが見えますね。