▼ケンタッキーダービー2020 逃した魚はどデカかった? Mr. Big News

9月はYouTubeリニューアル月間です

どうもご無沙汰してました。暑いさなか動画作ってました。

今週リニューアル企画の第1弾として「チャンネル紹介動画」をリメイクしてみたが、実はもうここに落とし穴があって、YouTubeの望むチャンネル紹介動画というのは「①尺が1分くらいで②説明するのではなく③魅せろ!」という映像素人にはけっこうハードルの高いものを要求してくるのだ。

私は紹介動画をいつものとおり1本作りたかったのだが、それではチャンネルの頭に設置される動画としては不適ということで、ここは郷に入っては郷に従えの精神で「しゃべらない1分動画」を企画してみた。

そこでなにかアイデアとしてインスパイアできるものはないかとあれこれ頭を巡らせた結果、大好きな「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド(=ブレワイ)」の公式予告トレーラーと公式続編トレーラーの雰囲気をまねてみることに。

幸いすごくよいBGMがあった(こればかりは一瞬の出会いの奇跡)ので、雰囲気だけはブレワイに近づいた気がするが、いずれにしろこれでしばらくお付き合い願うことにしよう。そうそうロングVer.も結局作ったのでよろしくね。

ちなみにチャンネル紹介動画にはデフォルトで広告がつかない設定になっている。

真夏の米3冠頂上決戦 ケンタッキーダービー2020

さて海の向こう米国では、厄災を避ける形でこの真夏に競馬の祭典「ケンタッキーダービー」を持ってくる手段に出た。

以前から私は素直に「種牡馬の検定レースを春以外の季節にやるとどんな影響があるんだろう?」と興味津々だった。まだこのあと1冠プリークネスSが残る(現地10月3日予定)ので、合わせて3冠戦終了後にどんなボス候補が誕生したのか、時間があれば少しまとめてみたいと思っている。

さて今回の「Run For Roses」Newsの取材テーマはそこではなく、勝ったAuthenticでも、断然人気で負けたTiz The Lowでもなく、3着に入った大穴のMr. Big Newsという馬についてだ。

もちろん最初は勝ち馬のプロフィール原稿を練りたくてあれこれ海外サイトを歩いていたのだが、その途中でこのMr. Big Newsという3着馬の強烈な裏事情を知ることとなり、対象を180度方向転換。以下に備忘録としてまとめておく。

まずはMr. Big Newsに関する軽めの話題から

「Horseracingnation」というサイトの記事によれば、このMr. Big News、実はレースのほんとの直前までダービー出走を迷っていたらしい。

以下はDeepLによる和訳+校正文だが…

…Authenticの逆転劇だけが2020年ケンタッキーダービーのサプライズではなかった。Mr. Big News がオッズ46対1ながら3着に入った時には多くの人が油断していたが、これが大きな配当のきっかけとなった。

オーナーのアライド・レーシング厩舎のチェスター・トーマスは、このジャイアンツ・コーズウェイの仔がダービーに出走するかどうかは微妙なところだったと述べている。

「日曜の夜は午前1時まで起きていて、芝レースに出走するかダービーに出走するかを考えていた」

彼の言うもうひとつの選択肢とは、ダービーの裏にある8.5Fのアメリカン・ターフ・クラシック(芝!G2)だった。しかし、トーマスと調教師のブレット・カルフーンはアメリカン・ターフの距離が短いことに疑問を持ち、また芝が十分に固くないことを懸念していた。

カルフーン調教師によると、ここからトーマスはダービーへの情熱を「どんどん悪化させていった」とのこと(筆者:いよいよダービーに出る気満々になってきたんだね)。

4月のオークローン・ステークスを勝った後、Mr. Big Newsは7月のブルーグラス・ステークス(G2)で6着と残念な結果に終わった。

「当初は芝路線を予定していましたが、一方でもしダービーなら…と実りのあるプランBも計画していました」

「競馬場が満員になるとは思えない頃…そう1ヶ月も前から計画していたんだけど、それが選択肢の一つになると思っていたんだ」

「何度か芝コースで調教もしましたが、(当地の芝は)とても湿っていて柔らかく、このコースでは通用しそうにありませんでした。そこで彼が本当に良いトレーニングをしてきたダートコースで、10Fのダービーに出走することができました。一発狙う価値はあったよ」

…いかがだろうか。いかにもアメリカンドリームを好む競馬関係者のコメントらしいし、毎年この手の葛藤劇があるんだろうなと想像させる内容だ。

そしてMr. Big Newsに関するもうひとつの重い秘密

さてここまで読んで、ではMr. Big Newsの血統を調べるか…と海外サイトで血統表を見ると、

「…ん?……あれ? おかしいな…」

なんと一番新しい世代のはずの母のデータがまるっと一切空白なのである。なんとなんと生まれ年さえ表記がない。いやいや、祖母が南米産とかそういうのなら話はわかるが、今年のKダービーの3着に入ったピチピチ(死語)の若駒の母がデータなしって、ちょっとおかしくないかい?

その母は名をUnappeasedといい、このままでは母の生まれ年さえわからないため、Mr. Big Newsの基礎体力も優先祖先さえもちょっと決定できない。なにか事情がありそうなのはわかったが、さてどこにいけば情報があるものか…。

そう考えながら少しネット上を散策してみること5分、ついに母を見つけました!(早!!)

しかも日本のサイトで! いやあ探してみるもんですね〜。

実は何を隠そう、この母Unappeasedは、かつて日本で走っていたれっきとした日本調教馬なのである。生まれこそアイルランド(2009.5.22生)だが、競走馬名「アンアピーズド」(和製英語っぽいな)として、あのハリー. J . スウィーニィ氏の名義で2012年に藤沢厩舎から日本デビュー、中央で3戦、その後地方名古屋で3戦し、未勝利のまま引退している。

で、どうしてこの馬が巡り巡って今年のケンタッキーダービー3着馬の母になり得たのか、その辺の事情はわからないが、一方で海外サイトにこの手の繁殖牝馬のデータが行き届くことはないだろうと、そこだけは少し納得できた。

ハリー. J . スウィーニィ氏と言えば、パカパカF牧場長、ダーレージャパンF代表、一口馬主「フクキタル」代表と日本でいくつもの要職を兼任されている異色のホースマン。もしかしたらこのGalileo牝馬も繁殖目的で持ってきた馬かもしれないし、日本で種付けされていたかもしれないし、Mr. Big Newsの母にはなっていなかった可能性もあるわけで…

父ジャイアンツコーズウェイはやや劣性期の種付けとなるので、Mr. Big Newsは母の良いところを受け継いだ産駒だと言える。ならばなおさら「逃した魚は相当にデカかった」のか、あるいは母は3つめの故郷米国に渡ったことで、バリバリの欧州血脈が生きたのか…すべては遠い謎のままである。

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