▼私は私のワールドスタッドブックを作ろうと思う 12.9

ジャパンスタッドブックのサイトは何とか使えるようです

昨日のブログでジャパンスタッドブックが使えないという窮状を訴えたところ、午後になって普段通りサイトが使えるようになり、騒いでいたのは自分だけみたいで何ともお恥ずかしいのだが、不安定さは相変わらずで、今のところ毎回「頼むから止まらないでくれ」みたいな心情で怖々クリックし続けている。

そのブログにお寄せ頂いたコメントに「もっとドルメロのことを他の競馬ファンの方に知ってほしい」というありがたいお言葉があった。今回はそれにお返事するような体で、私が普段している調査とそれに対する思いみたいなものを記しておこうと思う。

(安ければ)後世に伝えたい母馬学入門の一冊

今年の夏頃買ってそのままになっていた古本を最近ようやく読める時間ができた。本の名は「新説・母馬血統学」(講談社+α文庫・2008年発行)。血統評論家であり、JRA馬事文化賞も受賞した吉沢讓治氏の著書である。

この本はドルメロ理論に妙味がある方なら、一度読んでおいて損はない。今から13年あまり前に、競馬界が「サンデー、サンデー、またサンデー」に湧いている頃、「サラブレッド生産の基礎は母馬にあり」と論じ一石を投じた、ほとんど唯一の出版物であろうと思う。今もどこかで現役で売っているのだろうか。(なにしろ定価743円の本に現在中古で2千円以上の値が付くものもあるから要注意! 自分はAmazon中古で157円で買ったっちゅうの!)

想像するに、当時これを上梓するのは大変な勇気と信念が必要だっただろう。いまドルメロの周囲こそ「母馬の大切さ」を考えてくれる方々が多いから議論もできるし、話が先に進むが、あのサンデー1強時代に「母馬が9割大切と言っても過言ではない」と口にするその勇気。まあ馬事文化賞受賞者であるからこその行動力と影響力ではあるのだが、通常なら中島氏同様「色物の著作物」に思われても仕方のない一冊ではある。

しかしこの一冊の内容は、13年経った今でも色あせることがない。そればかりか、サンデー系の行く末を誰よりも早く案じ始めたその彗眼、また繁殖牝馬の起源とその重要性を基礎から学べる丁寧な説明ぶりには、ただただ感心する。

その話題の中のひとつに「スタッドブックの起源」という一節がある。昨日までサイトが動かなかった(まだ根に持っているw)スタッドブックって、そもそもいったい何だったの?というお話だ。

そもそもスタッドブックとは何だったのか

吉沢氏によると、18世紀にイギリスで「ジェネラル・スタッド・ブック」を発刊しようと取り組んだのが、ジェームズ・ウェザビーという方で、彼は先人が少し手を付けた「英国競馬成績書」のようなものから、繁殖牝馬編を分離独立させることを試みた。

しかしこれが大変な作業で、なにしろ当時は「母馬が大切」という概念が一切ない時代だから、ブリーダーたちに「繁殖牝馬の記録を見せてほしい」といっても全然相手にされない。やっとの思いで手に入れてみたら、今度は繁殖牝馬の「偽造」「改名」そして「無名!」のオンパレード。それを指摘しようものなら、ウソの上塗りか、完全無視される始末で、この編集作業そのものが水泡に帰す危機に。

やむなくジェネラル・スタッド・ブックの序巻は、渋々「ウソとわかっていても基本的に情報はすべて受け入れ、掲載する」という非常事態の上に、1791年ようやく発行され、総括の意味を込めて頭に「ジェネラル」と名付けられた。

ではその「ジェネラル」の下、「スタッド・ブック」とはいったい何だったのか。

実はスタッドブックとは、当時すでにブリーダー個人個人が付けていたその「繁殖牝馬台帳」を指している。ウェザビーらが集めようとした個人資料、それこそが「スタッドブック」と呼ばれていたというわけだ。

ドルメロの「繁殖牝馬データ」もスタッドブックかもしれない

昨日のブログコメントには「とにかくドルメロがやっている作業量のハンパなさ」にも触れていただいた。確かに作業の積み重ねと修正、アップデート、新説の導入などをもう3年くらい継続しているので、関連する馬、テキストエディタに掲載している馬の数はゆうに2万を超えたかもしれない(1万頭超えは確認した)し、これをもう一度イチからヤル気にはなれない。

だからドルメロは今よりも、いちブロガー時代の方が地味で厳しい作業を黙々とこなしていたはずで、あの頃誰も見ていない中、何が自分をそこまで動かしていたんだろうと、時折不思議な気持ちになることがある。

そうして、ジャパンスタッドブックにお世話になりながら、書きためた繁殖牝馬とその産駒データ、これはドルメロ個人の「スタッドブック」といっていい内容になっている。

ジャパンスタッドブックには父名、種付け日やその回数などの記載しかないが、ドルメロスタッドブックには、種付けイベント、繁殖サイクル、月のサイクル、表裏評価など、生まれた産駒、あるいは架空の配合でも、その方向性を聞かれればあらゆる角度からお答えできるデータが満載だ。これは過去に個別診断を受けた方なら掲載しているからご存じのはずで、誰が見ても「評価にブレがない」ことの証明でもある。

そして、そこに、父親のデータは、一切ない。

今後もドルメロは自分自身のスタッドブックを編んでいく

幸い3年あまりのデータ蓄積によって、初年のことを考えたらウソのように情報の追加や考察は楽になっている。だからその辺は安心してほしいが、このやり方を他の誰にも勧めようとは思わないし、またこのデータの全体像は今後も一切世に出ることはない。むしろ私がウェザビーのようにデータの受け手役となり、新たな外国産馬の情報、そして新説を組み入れながら、世界にひとつの「ワールドスタッドブック」にしていくつもりだ。

ウェザビーという人物そのものは、当時のイギリスでもごく普通の身分で、経済的や知識的にアドバンテージのある方ではなかったと聞く。しかしそんな彼だったからこそ、不本意ながらまとめるまでに至った「ジェネラルスタッドブック」の精神を継いで、今後も地道に活動していきたい。

世に出ることよりは、真実を突き止めたいというのが、ドルメロ自身の願いだ。

▼私は私のワールドスタッドブックを作ろうと思う 12.9」への3件のフィードバック

  1. いつもほんとに勉強になります。
    2万は十分、スタッドブックですね。
    もっともっと知りたいです。

    1. ぱぁちゃんさん、こんにちは。
      私のスタッドブック?は、まだ全ての馬には手入れが行き渡っていません。
      あくまでも話題になる馬、クラブ募集の馬周辺だけが整っていて、中には間違ったまま眠っているデータもあります。

      でも3年手つかずで寝ている牝系って、今後どうなのかな?
      私もまだ知りたいことがたくさんあります。

  2. 阪神JF凄く動画参考になりました。馬連3点でとれました。あれは凄く参考になります。データ集まればほぼ完璧かも?あくまでも馬券的にはですが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。