今週、王道路線の新馬戦で頭数が揃ったのは日曜中山6Rのみとなりましたので、1レース全力投球で解説します。
▼日曜中山6R 芝1800
ここは確固たる軸馬がいないのにOK判定の馬が多く、当日パドックの力を借りないとハッキリした結論までは出ない感じ。
配合的にもっとも興味を引かれるのが、アラスカ(牝・父オルフェーヴル)。
オルフェといえば今後も新馬戦には相当気をつけないといけない(もうこりごり)が、この仔は母方が優先で、父は違えど先頃悲願のG1ウィナーになった姉リスグラシューとよく似たタイプ。
それは「姉妹だから似る」のではなく、姉妹の4代父リファールがMAX活性のため、この影響から逃れるのは種付け相手の父もMAX活性である年に限られるからだ。
リファール自身は距離万能の持続型脚質で、姉リスグラシューを見ていれば誰もがその走りの根源に納得のはず。
加えて本馬妹には母リリサイドの9歳時MAX活性が加わっており、単純に配合レベルでいえば姉より1枚上。
ただしスピードサイクル面では、姉が繁殖サイクルの超初期で種付けされたG1レベルなのに対して、妹は日にちが少し遅くなり重賞レベルといった感じ。
それをMAX活性がどこまで補うかにかかっている。
実はリスグラシュー&アラスカ姉妹の4代母Maradadiから3代母Lymaraには1度MAX活性が継承されているので、妹は都合2回のMAX活性継承馬ということになる。
それでいながらアラスカの基礎体力が★★59はちょっと残念(姉は少なかった基礎体力を上積みしながら古馬になってさらに安定感を増した)で、現時点の評価はあえて重賞級にとどめておく。
また馬体が小柄という情報もあり、とにかくパドックでは落ち着き具合と体のラインを見ておきたい。
これに続く評価なのが
・エンジェルズライン(牝・父ルーラーシップ) 63
・パティシエール(牝・父タニノギムレット) ★47
の2頭。
実はこの2頭とも16年産駒がMAX活性の父を持ち、かつ父自身が優先という共通項がある。
自分はよく「父似」というキーワードを使うが、その発動条件は父が一番高活性で、代々父より活性の低い先祖ばかり並び、しかもその活性が低すぎてもダメ。
父自身が優先になるという条件は案外狭くできているのだ。
2頭のうち、★持ち&体力平均以下のパティシエールは初期勝負型であり、新馬だけはこちらをより強く推してみる手も。
あとは抑え候補で
・オスカーティアラ(牝・父シンボリクリスエス) 53
・シーオブザムーン(牝・父ブラックタイド) 53
あたりか。
木村厩舎&里見オーナーのサトノミレニアム(牡・父ノヴェリスト)は判定こそ「ぎりBAD4日」でまずまずも、優先が母オルトリンデから欧州のトップマイラーだったIrish River(1976)へとさかのぼるので、距離的にはもう1ハロン短い方が良さそう。
かつ基礎体力44もこのメンバー中では下位グループで、配合からはあまり強く推せない。
また竹内厩舎のアリューカス(牝・父ゴールドヘイロー)はせっかくのOK判定も、母父プリサイスエンドの母系にいるSumming(1978・ベルモントS勝ち)の影響が強く、芝巧者が揃っているこのレースでは評価を落とした。
距離そのものに不安はないので、中山の千八ダートあたりなら買える1頭だろう。
出走馬全体に牝馬が多い(14頭中10頭)というのも、波乱を予感させるが果たして…。
そうそう、今週から「期間限定&キャリア最初で最後の☆1キロ減」となる菜七子チャン騎乗予定のレパルスベイ(牝・父サンカルロ)は残念ながらBAD判定でした〜。