▼圧勝続きのヴァイトブリックは本当に砂の大物か

キャロット特集では惜しくも推薦できず

現在、新馬、500万下とダートでいずれも圧勝中の3歳馬ヴァイトブリック(牡・父シンボリクリスエス・キャロットC所属)。

新馬戦ではまだ目覚めていない感じでモソモソ後方からひとまくり、といった大味な内容だったが、2戦目はレースぶりが一変。

好位内できっちり折り合い、4角でやおら外に出されると直線では余裕の脚色。
すっかり競馬というものを理解したようだ。

 

さて今年の3歳路線では、芝では強い馬が何頭か勝ち上がっているものの、ダート戦ではこのヴァイトブリックの勝ちっぷりが一際目立つ感じ。

また本ブログで紹介しやすいクラブ馬ということもある。

そこで今回はこのヴァイトブリックの血統的評価について考察し、彼の将来性を図ってみたいと思う。

 

▼ヴァイトブリック(牡3・父シンボリクリスエス・青鹿毛)

Luckhurst 1972
 Stumped 77.3.17 3.3〜5.3
  Sonic Lady 83.2.15 ぐ(×) 2.29〜4.29
   ソニンク 96.2.8 き○ 1.22〜3.22
    ヴァイスハイト 04.2.15 ぐ(×) 1.29〜3.29
     ロスヴァイセ(キャロ) 11.2.22 き○ →OK
     シェーンハイト 12.4.9(キャロ) ぐ× →OK不出走
     フォースリッチ 13.4.13 き× →BAD
     クルークハイト(キャロ) 14.4.4 ぐ× →OK
     ヴァイザー 15.3.30(キャロ) き× →BAD
     ヴァイトブリック 16.4.3(キャロ) ぐ× →OK

 

ソニンク系は日本でたいへんな繁栄ぶりを誇る牝系のひとつ。

ただ、スピードサイクル上ではきれいな純のサイクルを描く牝馬が少なく、良い馬を良いと評価しにくい(逆に期待の馬がハズレというケースも)生産者&ファン泣かせのファミリーでもある。

 

ヴァイスハイトは日本で走って2勝を挙げた後、初仔のロスヴァイセをはじめ、クズを出さない繁殖としてクラブでも人気の母馬。

何を付けても2つくらいは勝ってくれる、まことにファン思いの牝馬である。

ヴァイトブリックは母の初仔ロスヴァイセの全弟なので、2頭の血統的内容を比較しながら見ていこう。

 

姉は母似、弟は本来なら父似も…

まずは母の血統構成から。

母 ヴァイスハイト
母父 アドマイヤベガ 活性値7
2代父 Machiavellian 活性値8 MAX
3代父 Nureyev 活性値 5

よって母の中では2代父のMachiavellianが一番強い活性値を持つ。

 

▼姉ロスヴァイセ 2011生
シンボリクリスエスの活性値 3(劣性

▼弟ヴァイトブリック 2016生
シンボリクリスエスの活性値 ゼロ
(父の誕生日は1月21日、ヴァイトブリックの種付け予想は5月)

本来であれば、弟の種付け年は父シンボリクリスエスのMAX活性年だったのだが、なにしろ父は早生まれで、今までの産駒の中にもたくさんのゼロ活性馬が存在している。

 

弟はその中の1頭であり、従ってきょうだいの優先祖先は

▼姉ロスヴァイセも弟ヴァイトブリックも、2代父Machiavellianを5、6世代さかのぼる(7代以降は血統的影響なし)

ことで計算できる。

さらに、Machiavellianはその父ミスプロの、ミスプロはその父Raise a NativeのMAX活性産駒でもある(覚えておくといいかも)ことから、結局はどちらもRaise a Nativeまでさかのぼるのと同意になる。

(※ブログ初期ではミスプロがRaise a Nativeのゼロ活性馬と評価していた時期もあるので注意!)

よって姉の優先祖先はRaise a Native、弟はその母Raise Youが第一候補になる。

いずれにしろ2頭の優先が米系ダート血統であることは間違いなく、また2頭ともが栗毛馬に産まれる可能性もわずかにあったということだろう。

 

2頭のわずかな血統的違いは体力面

次にクロスの弊害の有無を調べると、2頭にはHail to Reasonのクロスがあるのだが、これはいつもの通りサンデーのゼロ活性で消えてしまうので、弊害はない。

(他にNorthern Dancerの母系クロスもあるが、父系にNorthern Dancerがない場合、私はクロスにカウントしていない)

また4代父それぞれの活性値もすべて異なり、2頭とも頭脳的にはシャッキリ晴れ渡って十分賢い。よって弟が見せた2戦目の変わり身も十分うなずける。

(姉ロスヴァイセは初仔なので少し血統コンプレックスが強いのだが、牝馬ということもあってあまり心配はない)

 

このように馬の形としてはほとんど同じと見られる姉、弟だが、基礎体力面では多少の違いが見られる。

▼姉ロスヴァイセ 基礎体力 63
▼弟ヴァイトブリック 基礎体力 50

ということで、弟は基礎体力面が凡庸なため、使い込むとさまざまな影響が出やすい馬かもしれない。

(キャロット特集ではいまいち推し切れなかったのもそのせいかな?セレクトセール特集では母の2017年度産駒を推してみましたがwww)

3歳の春まではダートのOP競走が少ないので問題ないのだが、秋以降大きなところで走るなら、十分に間隔を空けながら、あくまでソフトに仕上げたときに狙いが立つタイプだろう。

さらにもし3歳のうちに無理をしないでおけば、古馬になって基礎体力の上積みがあるので、思いのほか長く活躍できる一流馬となるだろう。

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