▼オアシスS2019 前走は距離長い?中山不適?ほぼベストの条件で結果を出せるかアルクトス

まずは最近の競馬界の話題について3つコメント

(1)アーモンドアイ、凱旋門賞登録見送り(早っ!)

現場の記者たちもとうの昔にコッソリ気づいているらしいアーモンドアイの「体質問題」

決して遠征向きの丈夫な牝馬でないことはここでも何度か触れているが、欧州のレース条件がどうこうというよりは「アーモンドアイ・ファースト」で考えたときに、得るものより失うものの方が大きいだろうという判断に思える。(ルメール・ファーストでもないと思う)

もっと邪推すると、今度のドバイ遠征ですでに「一頓挫」に近い状況が生まれていたのかもしれない。

パッと輸送熱が出たとか、足元がモヤッとしたとか…あらためてアーモンドアイを国外で完調で使う難しさに触れたのかもしれない。

(2)ダノンプレミアム、マイラーズCへ

これも昨年からダノンプレミアムの基礎体力を知る人なら、中2週で大阪杯に使う手などなかったことは一目瞭然。

これほどの名馬を扱う厩舎がそんなノー天気なわけがない。

ダノンの体質とスピード能力とを天秤に測って出した最善の結論である。

(3)サートゥルナーリア、ホントに断然の存在?

皐月賞後のルメールのコメントが妙に神妙かつ慎重だった、という報道がなされている。

配合上で見た限り、サートゥルナーリアは昨年でいうところのダノンプレミアムに似ており、基礎体力平凡、切れ味なしのサドラー系優先

皐月賞の激走後いつ小休止しても、あるいはダービーで謎の失速をしてもおかしくない馬なのだ。

と、いうことでなぜかダートのOPが今日のお題

この時期さすがにもう3歳馬に面白い存在はおらず(特別戦のメンツもかなりレベルダウンしている)、かといって先週のアンタレスSのようなダート重賞といえばどいつもこいつも6歳とか7歳とかベテラン馬の巣窟で、は〜ホントにつまらん。(アナザートゥルースグリムは若くていいぞ)

そこでもうなんでもいいから、若いのを引っ張り出そうということで、ダートのOP・オアシスSから無理くり持ってきたのがアルクトス(牡4・父アドマイヤオーラ・栗田厩舎)。

いや、ところが無理くりなんて失礼な話で、この馬かなり奥が深くて興味を引かれる。

血統は地味だが、ポテンシャルは相当なしろものだ。

アルクトスの繁殖サイクル

Betrothed 1969
 Wedding Party 79.2.21 2.7〜4.7
  Bless You 85.2.13 ぐ(×) 1.27〜3.27
   コンキスタドレス 92.5.18 き○ 5.1〜7.1
    タマモクリエイト 05.3.31 き○
    マイネルエルドラド 06.4.29 ぐ(×)
    ホシニイノリヲ 09.3.22 き(○) 3.5〜5.5
     ☆アルクトス 15.5.2 ぐ×
  Deputation 89.3.18 ぐ× 3.1〜5.1
   Manoa 95.4.3 ぐ× 3.17〜5.17
    Carriage Trail 03.2.15 ぐ×
   Search Party 97.5.23 ぐ× 5.6〜7.6
    Criminologist 03.3.27 ぐ×

アルクトスの直系だけ見ていると「逆サイクルかな?」と判断してしまいそうだが、ちょっと隣の分枝まで見るとアルクトスのサイクル「き○ぐ×」こそ正しいということがわかる。

すでに叔父たちがダートで相当走っており、母も最後の最後、夏の新潟で未勝利を脱出している。

アルクトスの優先祖先

父 アドマイヤオーラ 活性値2

母父 シンボリクリスエス 活性値1
3代父 Seeking the Gold 活性値6
4代父 Halo 活性値7

よってHaloの母で名繁殖牝馬として知られるCosmah(1953・Tosmahやファーザーズイメージの母、ランズダーン、ワッスルタッチ、テユーター、レイクコモ…らの祖母でもある)が優先となる。

Cosmah自身は現役時ダートのマイル戦あたりで堅実に走り、現在ならG1、G2に格付けされているような大レースでも入着しているが、勝ち星となると現在G2のアスタリタS(6F)がキャリアハイであり、確かに距離は短い方が得意だったかもしれない。

米国血統は基本左回りのトラックコースが得意種目になるので、アルクトスの経歴とダブるものがあるし、中山の千八よりは府中の千六がいいことも自明の理だろう。

アルクトスの基礎体力

Wedding Party 79.2.21  1.25
Bless You 85.2.13     1.5
コンキスタドレス 92.5.18 ★2.0
ホシニイノリヲ 09.3.22   1.25

1.25+2.0+1.5+1.25=6.0 → ★75

2代母コンキスタドレスの2回目のMAX活性が母ホシニイノリヲに継承され、母もさあこれから、というところだったのだが、2年連続(17年、18年)の不受胎で1回目のMAX活性を逃してしまった。

きょうだいは兄のキタノカイキョウ(父ハーツクライ)がぎりOK5日、妹のヒノクニノオンナ(父ヘニーヒューズ)がBAD判定で、どちらも中央では走れていないので、母の繁殖ポテンシャルは未だ全く未知のままである。

アルクトスの残存クロス

いつものようにサンデーはHaloのゼロ活性馬なので、父方にはクロスの候補がなくなる。

自分は母系のみ、父系のみというクロスは重視しないので、アルクトスはこれでほぼアウトブリードと考えたいが、母系クロスが気になる方のために計算すると、母系に残っているのは2本のHail to Reasonであり、

母系(1)0.5×1.75×1.25×0.25=0.2734…
  (2)0.5×1.75=0.875

であるから、薄いことは薄いが依然効力はあると考えられる。

さらに代々父の活性値と系統を見ると、活性値こそバラバラでよろしいが、系統は3本ともがTurn‐to系で、同系を3本持ってきた配合はあのダート王・ルヴァンスレーヴにも通ずるものがある。

好調時に爆発的な力を発揮する反面、レースで被った不利や負け方に影響を受けることが多く、ヘンな負け方をした後には十分なケアが必要なタイプになる。

【 結論 】
アルクトスは準アウトブリード配合扱いで頑強な体力を誇るダートのホープ。左回りのマイル以下が主戦場だが、揉まれこむと脆い面も

少しずつ「番手」の競馬にも慣れていければ、左回りコースにはダートの大レースがいくつもあるので楽しみな存在になろう。

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