▼セレクトセール2018 1歳馬最速診断 トーセンラー・スピルバーグ編(No.97、174)

この2頭、全きょうだいだったんですね〜

前回予告したジャスタウェイ産駒にはまあまあ?の馬しかいなかったので、あとで「もうすぐトップテン圏内」コーナーに紹介しておきます。

ということで今回はトーセンラー(牡10・父ディープインパクト)とスピルバーグ(牡9・父ディープインパクト)という全きょうだい種牡馬の産駒をご紹介します。

今年のセレクトセールにはトーセンラー、スピルバーグの1歳馬がそれぞれ1頭ずつ上場します(ちなみにディープ1歳産駒は26頭も!)。
数は少ないですが、きちんと「セレクト」されているだけあって、その2頭が2頭ともなかなかの血統構成。

来年まで馬名、購買者(馬主さん)をぜひ覚えておいて、POG2019で大穴として指名してください。

 

年子といえば気になるスピード裏表のサイクルは?

 

母 プリンセスオリビア 95年2月20日生
(2月6日から4月6日、6月6日から8月6日良好)
トーセンラー 08年4月21日生 ×
スピルバーグ 09年5月12日生 ○

ドナウブルー&ジェンティルドンナ姉妹のように、このトーセン&スピル兄弟も年子ながらスピード面では見事にWinWinの関係に落ち着いています。

スピード面では弟スピルバーグの方がわずかに優秀と判断できますが、その代わり兄トーセンラーは距離に融通が利いたり、コースを問わない活躍が可能な馬でした。

 

母系は距離保つ系統だがこの馬の距離適性はどっちだ?

 

▼No.174 ドライアッドの17

17年4月25日生まれ 牡 鹿毛
父 スピルバーグ
母父 トニービン

【診断結果】

・優先祖先 父の父 ディープインパクト

・馬場、距離適性 芝の中距離〜

・基礎体力値 50(平均50)

・頭脳 普通

・総合 ★★(満点は5つ)

 

まずはスピルバーグ産駒の評価から。

3代母シャダイアイバーはオークス馬で、2代母オークツリーガレオン(父リアルシャダイ)の姉、母はペインテドブラック(父サンデー)の妹ですから、この系統は配合によってかなりの距離をこなすスタミナがあります。

スピルバーグ自身はスピードにあふれた種牡馬ですが、本馬は母のスピードサイクルの一番後期に種付けされており、さほど潤沢なスピードは受け継いでいません。
よって本馬は、二千より長い距離でジリっぽさをごまかすシーンもありそうです。

3代母 シャダイアイバー 79年2月23日生
2代母 オークツリー 89年4月14日生 (×)
母 ドライアッド 97年6月12日生 ×
兄 ファルカタリア 04年4月28日生 ○
姉 スカーレル 09年3月9日生 ×
本馬 17年4月25日生 ×

3代父のリアルシャダイ(1979)は「仕掛け型種牡馬」といい、次の1代に限ってネアルコに冒された産駒の頭脳をリフレッシュする効果があるといわれます。

よって2代母オークツリーは「スッキリした頭脳」を持ちますが、そこからトニービンスピルバーグと再び主流系をつけられましたので、現在の本馬はごく普通の頭脳といえるでしょう。

Northern Dancerらのクロスも存在しますしね。

 

母MAX活性が2世代確定の注目牝系から

 

▼No.97 スウィートテイルズの17

17年1月27日生まれ 牡 鹿毛
父 トーセンラー
母父 キングカメハメハ

【診断結果】

・優先祖先 父の父 ディープインパクト

・馬場、距離適性 芝のマイル〜中距離

・基礎体力値 75(平均50)

・頭脳 普通

・総合 ★★★(満点は5つ)

 

お次はトーセンラー産駒を。

2代母ブルーメンブラットマイルCSを勝った名牝(当時ちょっといい思いもしました)ですが、なぜか後継の産駒には恵まれませんでした。
しかし本馬の母スウィートテイルズは祖母からスピードのサイクルをきちんと継いでいますから、良い仔が出るのはこれからのようです。

3代母 マイワイルドフラワー 86年2月12日生
2代母 ブルーメンブラット 03年2月20日生 ○
母 スウィートテイルズ 12年2月27日生 ○
本馬 17年1月27日生 ○

しかも本馬はサイクル初期の種付けですので、父トーセンラーの印象よりはずっとスピード型に出るかもしれません。

 

加えて本馬の一番のセールスポイントは、その体力面にあります。

3代母マイワイルドフラワー→2代母ブルーメンブラット→母スウィートテイルズと、2代にわたって母のMAX活性期に配合されており、スピードスタミナ両面での後押しが見込まれます。

さらに母スウィートテイルズのMAX活性はこれからやってきますので、来年以降もどんな仔が出るか楽しみなファミリーです。

 

インブリード面では、この頃よくぶつかるサンデーの3×4クロスが本馬にもあります。
ただ母系のアドマイヤベガ(1996)はサンデーの活性がMIN期の産駒(ゼロではない)ですので、字面より濃度は薄まっており、かえってNorthern Dancerクロスの方が気になるくらいです。

本馬は気性さえまともなら良質のスピードを発揮して、大舞台に出てもおかしくない背景を持っています。
ただ残念ながら父トーセンラーは2018年産駒から「劣性期」に入りますので、次のスター候補はしばらくおあずけになりますが…。

 

もうすぐトップテン圏内の馬たち

 

予定していたジャスタウェイ産駒では
▼No.23 メジロジェニファーの17
が一番惜しい馬でしょうか。

スピードサイクルはOKですが、2代父ホワイトマズル(1990)と3代父サドラーズウェルズ(1981)の両方がMAX活性であり、とにかくNorthern Dancerクロスが強まりすぎて心配なレベルです。

また
▼No.141 エリドゥバビロンの17
も資料は少ないものの、スピードOKと判定していい馬。
アドマイヤアルバ(父ハーツクライ)の下ですし、もう少し母系が詳細に探れれば面白いと思います。

次回からはノヴェリストフェノーメノリアルインパクト…とまた中堅どころの産駒を調べて、いよいよルーラーシップロードカナロアへと続きます。

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