▼黄梅賞出走予定の(外)ハクモクレンに芝適性はあるのか

初戦はダートで逃げ切り勝ちの外国産牝馬

その週に出走する馬で血統がおもしろそうな3歳馬がいたらどんどん紹介しようと毎回手ぐすね引いて待っているのだが…。

もう2月も終わろうとしているこの時期に正体がバレていない3歳馬なんてそうそういるはずもなく…。

というわけで、仕方なく1勝馬クラスの条件戦にも範囲を広げてみたら、1頭だけちょっと気になる馬を発見した。

それが昨年暮れのダート新馬戦を勝った(外)ハクモクレンという馬である。

引き続きダートの強い3歳馬は捜索中なのだが、今回ハクモクレンはあえて芝のマイル戦に矛先を向けてきた。

想定メンバーはかなり低レベルに見えるので、適性さえあればいい走りを見せると思うが、さてどんなものだろうか。

 

ハクモクレンのスピードサイクル

Distonia 1964
 Distant Voyage 76.4.4 3.18〜5.18
  Starfire Voyage 87.3.27 き○ 3.10〜5.10
   Nancy’s Glitter 95.4.9 ぐ○ 3.23〜5.23
    Glittering Tax 02.4.7 き○ 3.21〜5.21
     Paganol 11.3.1 き○
     Miss Temple City 12.3.14 ぐ○
     Pricedtoperfection 13.4.21 き×
    Conway Two Step 09.2.8 ぐ× 1.22〜3.22
     ハクモクレン 16.3.30 き×

牝系は5代母のDistonia以前が遡れず(データもなし)、あまり広がりはない。
よって近親といってもハクモクレン自身のラインが主な活躍系になる。

 

ただし、ファミリー全体に全くといっていいほど「未勝利・くず馬」がおらず、産まれた馬は片っ端から走る傾向にある。

それが零細牝系の強みなのか、一族の堅実さは怖いくらいで、加えてたまにいとこのMiss Temple City(牝・父Temple City)のようなG1馬を輩出するパワーもある。

OK判定を決定するのはやや難しい部類に入るが、前述したMiss Temple Cityやハクモクレン自身のサイクル「ぐ○き×」が正しいと考えてよさそうだ。

 

ハクモクレンのスピードは繁殖期のちょうど中央部に位置するので、可もなし不可もなしといった感じ。

スピードで圧倒できるタイプではないようだ。

 

ハクモクレンの優先祖先と基礎体力

▼ハクモクレン(牝3・黒鹿毛)

父 シャンハイボビー 活性値5

母 Conway Two Step
母父 Spanish Steps(黒鹿毛) 活性値7
2代父 Glitterman 活性値1
3代父 Fire Dancer 活性値3

【基礎体力】
1.5+1.25+1.75+0.5=6.0 → 63

 

配合に関わる4頭の種牡馬の活性値が4頭とも異なるので、頭脳としてはかなりの明晰さが期待できる。

中でも母父Spanish Stepsの活性値が高く、優先祖先もちょうど7−5=2(世代)さかのぼったSpanish Stepsとなる(毛色も合っている)。

しかしこのSpanish Stepsという馬は、大種牡馬・Unbridled’s Song(1993)の全弟というだけで、その素性や適性はいまいちハッキリしない。(それだけで十分立派なのだが)

Unbridled’s SongはBCジュヴェナイルを勝った一流馬で、種牡馬としてもArrogate(ドバイWC)を出すなど大成功、産駒は2歳戦からバンバン走る傾向にある。

 

この賢兄と弟・Spanish Steps、実は繁殖サイクルの上でも「ほぼ同一馬」と考えていい間柄にある。

いつもなら「全兄弟といえども父の活性値が違うので優先祖先もズレる=全くの別馬」なのだが、Spanish Stepsらはちょうど8歳違いの兄弟であり、2頭の父・Unbridledのサイクルが再び同じ位置に来た(=活性値が同じ)ときの産駒となる。

よって、今回だけはSpanish Stepsにも兄Unbridled’s Songと同様の適性があっておかしくない、と読むのが普通である。

 

社台Gはまた不思議な馬を連れてきた

おそらくこの牝馬も社台ファーム場内の血を活性化させるために連れてこられた傍系繁殖候補なのだろう。

吉田一族の名前で走らせている(外)の中には、ときたまこのような不思議な系統の牝馬がいて、競走ではきれいさっぱりハズレの時もあれば、ハクモクレンのように余裕たっぷりに新馬をクリアするものもいる。(昨年ならモルトアレグロ、今年ならマドラスチェックとかも)

彼女らの真の活躍の場はこれから(繁殖)であり、競走で無理をさせることはほとんどない。

だから新馬を勝った吉田一族の(外)牝馬は、クラブのどこかに優秀な産駒を輩出する。
覚えておくと将来きっと役に立つはずだ。

 

最後にハクモクレンについてはミスプロの5×5クロスがあるが、父シャンハイボビー側のミスプロがCarson City(1987)のゼロ活性できれいに途切れているので、何の心配もない。

またハクモクレンの子どもの代には、5代血統からミスプロの名前が消えるのでさらに安心だ。

 

基礎体力も豊富で、頭脳も明晰。
母としてはこれ以上ない資質に恵まれていると思う。

すげえな、社台。

 

今日の結論

▼ハクモクレンの芝適性は残念ながら期待薄?だが、繁殖としてはかなり恵まれた資質を誇る

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