▼アハルテケS2019 母MAX活性産駒のクラブ馬実例をご紹介 ゴライアス

毎日本当にたくさんの方にブログを見ていただいているようなので、クラブ馬の選び方について、ひとつの例をお話ししようかと思います。

有力馬主クラブの2019春解説を終えてみて

今年も春からサンデーR、ジーワンR、社台RHと渡り歩き、1歳馬の配合構成250頭以上を目にしてきたが、やはり「ピンとくる」組み合わせはそうあるものではない、という思いを強くしている。

この3クラブは毎年賞金ランキングで上位を狙うクラブであり、ここから何頭かのOP馬あるいは栄光のダービー馬さえ出てもおかしくないわけだが、それはもしかしたらこの馬かも、といえる1歳馬はほんのわずか。

他はといえばやはりインブリードクロスはキツいし、基礎体力は足りないし、そもそもOK判定に入っていないしで…。

そこで今回は今週末のOPレース出走予定馬を題材に、父馬でも、値段でも、厩舎でもない、クラブ馬選びのノウハウ一例をご紹介したい。

母MAX活性産駒ってどのくらいいるの?

先日のPOG赤本2019特集でも、このあとのセレクトセール2019特集でも、手っ取り早く優駿を判別できる方法として採用しているのが、

▼母のMAX活性時に種付けされた産駒

である。

馬の基礎体力は過去4代にわたる母馬たちの積み重ね作業だから、直近の母だけが高活性ならいいわけではないが、かといって母から受けられるはずの体力を受け継げなかった馬をわざわざ愛でる気にはなれない。(現在の人の手でどうにかできるファクターは現在の母にしかないのだから)

そこで基礎体力&スピード能力の底上げが見込まれるMAX活性産駒探しを最優先するのだが、母のMAX活性期産駒を探すこと自体はうんと簡単。

馬の繁殖サイクル(活性値ゼロ→MAXまでの時間)は8年で1サイクルだから、2018年生まれの子馬なら、09年生まれと01年生まれ(2サイクル目)の母馬を持つ馬だけをピックアップすれば良い。(11か月の妊娠期間を考慮して)

これだけで血統の初心者でも十分クラブの有力馬候補にたどりつける。

ただこのブログを長く愛読されている方なら

▼このうち1割がゼロ活性産駒(逆に虚弱)で、さらに4割が?判定(そもそも走らない)で、本当に走る有力馬はMAX活性産駒の中でも5割くらい

ということもよくご存じかと思う。

ちなみにセレクトセール2019・1歳馬の下調べも済んでいるが、上場予定1歳馬240頭あまりのうち、

・MAX活性産駒候補は31頭(約8頭に1頭)
・うちゼロ活性4頭
・?判定12頭
・残りの15頭が有力候補

と、見事に今までのデータを裏付けている。

とはいえこの中に良い馬がいるのは間違いないので、もしクラブ馬主ライフが大好きだけど、今まで出資馬は1頭たりとも走ったことがないという方がいたら、出資候補を瞬時に8分の1に絞ってしまうMAX活性産駒選択法をぜひご採用あれ。

これらをふまえて今週のゴライアスを解説してみる

今週のアハルテケSに出走してくるサンデーR所属のゴライアスも母ジョウノファミリーのMAX活性産駒である。

▼ゴライアス(牡4・父ゴールドアリュール・高木厩舎)

【 繁殖サイクル表 】

アストニシメント 1902
 第五アストニシメント 13.3.13
  デヤレスト 1928
   フオーラン 32.5.29 5.13〜7.13
    エベレスト 45.3.23 き× 3.6〜5.6
     ヤマユリ 65.4.16 ぐ(○) 3.30〜5.30
      エビスベローチエ 76.3.4 き(×) 2.18〜4.18
       エビスファミリー 92.4.11 ぐ(○) 3.25〜5.25
        ブルーコンコルド 00.4.11 ぐ○
        ジョウノファミリー 06.4.11 ぐ○ 3.25〜5.25
         ライジングリーズン 14.2.27 ぐ○
         ゴライアス(サンデーR) 15.3.5 き○ →ぎりBAD11日

ゴライアスはアストニシメント系という一大ファミリーの出身で、その貴重な血脈は血統論者の間で「小岩井牝系」とも呼ばれる日本の至宝である。

判定はぎりBAD11日だから、クラブ募集時はちょっと選ぶのに勇気が必要だったかもしれないが、1歳時の立ち姿をPDFで見ると、なかなかに立派な腹構えとトモの発達が目を引き、ダート馬だとしてもクラブ馬としてはコスパ最高の部類とすぐにわかる。

優先は父ゴールドアリュール
ブライアンズタイムにもよく似ており、実際に母ジョウノファミリーブライアンズタイム優先。

★はオマケだが、基礎体力は69。
ひとつ上の姉ライジングリーズン(フェアリーS、アネモネS勝ち、1歳サマーセールでな、なんと550万円落札!岡田牧雄氏の彗眼)との誕生日差もプラス6日で理想的。

弟も15年セレクトセールでわずか1200万円で落札、クラブでも50万円×40口募集ですでにOP入り、5000万円以上を稼ぐ馬に…。

これが個人馬主なら笑いが止まらないレベルの大出世だよなぁ。

祖母があまり仔出しの良い繁殖ではなかったため、ファミリーの広がりには欠けている(カタログの近親がすごく寂しい)が、そのかわり出てきた産駒は走り始めると大物に育ち、ブルーコンコルド級(ダートでせっせと10億円!)にもなろうかという夢のある系譜だ。

唯一ヌレイエフのクロスが強めに残るので、そこだけ気をつければ、豊富な基礎体力を条件戦卒業作業ではなく、これからOPでの活躍に十分に活かせそう。

ちなみにアハルテケS馬券の相手は、もしMAX活性込みなら★75とゴライアス以上の配合になるイーグルバローズ(ダメならただの50だけど)と、★なしで66のワンダーリーデル(これも名門ビユーチフルドリーマー系)へ。

配合によるリステッドレースの攻略法

重賞ではなくあくまでもリステッドレースに限る話だが、出走馬を基礎体力で見ていくと

▼リステッド→基礎体力、配合内容が似たもの同士の集まり

▼重賞→基礎体力、配合内容が明らかにもう1枚上のレベル

になることが多い。

だから平凡なリステッド戦に1頭だけ放り込まれた優秀配合馬を狙うだけでも自然と馬券になることがある。

たとえば少し前にアルクトス(牡4・父アドマイヤオーラ)をオアシスS直前に取り上げたが、あの馬の配合(★75)ならその後のドングリの背比べ的リステッドレース連勝も全く驚くことではなく、むしろ配合レベルはゆうに重賞クラス。

とくにこれからたくさん組まれるローカルOPではこの傾向が顕著。

今週函館で行われる大沼Sでは

アキトクレッセント  56
アメリカズカップ   63
カゼノコ     〜★63
カラクプア      47
クロスケ      ☆69
サトノプライム    53
ジョーストリクトリ  72
タムロミラクル   ★69
ドライヴナイト    44
バイラ       ☆66
ハイランドピーク  ★72
フュージョンロック  47
プレスティージオ   59
プロトコル      53
マイネルバサラ   ★63
モズアトラクション ★75
リアンヴェリテ    63
ロードゴラッソ    47

ぱっと見★印MAX活性の馬がたくさんいるようだが、モズアトラクション以外はすでに重賞を勝ったり、多くのキャリアを積んだ高齢馬だったりと、★を十分に使い切った馬。

するとやっぱりまだ重賞を勝っていないモズの存在が一際目立つワケで、相手にも☆馬のクロスケバイラなどを十分考慮しなくてはならない。

まあモズアトラクションに関しては、平安Sのチュウワウィザードとの馬券こそ最高においしかったのだが…。

ともあれ、配合から基礎体力をみることは、OP馬のその後やクラブ馬の将来の活躍を予想する上で大きな指標になる。

基礎体力は、馬の鍛錬、遠征適性、ローテ決定、イレ込み癖…などすべての面に影響する最重要ファクターなのだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です