▼歴代日本ダービー馬でみる種付けサイクル 自然チャンスで生まれた名馬たち(データ多量注意)

あのダービー馬たちからも興味深い知見が

種付けサイクルの見方は前回と同じ。ダービー馬の中にもデータがない馬、外国産馬、初仔そして今回はやはり空胎後産駒がいるので、そこは除外している。また思いついた母馬から順に検索したので、順番はバラバラになるがお許しいただきたい。コントレイル、オルフェーヴルは前々回のブログに掲載済みだ。

なにはともあれ、まず見ていただこう。

歴代日本ダービー馬 種付けサイクル

ウインドインハーヘア 種付け表
 00.3.21 ライクザウインド生
 00.4.20 サンデー種付け(=1回目 自然チャンス)
 01.3.29 ブラックタイド生
 01.4.20 サンデー種付け(薬剤?)
 01.4.28 1回目チャンス(↑)
 02.3.25 ディープインパクト生
 02.4.23 サンデー種付け(=4.24 1回目自然チャンス)
 03.3.26 オンファイア生

この3兄弟は表と裏の判定が難しい馬たちだが、もしディープを表判定とするなら、ほかの2頭の活躍は自然サイクル日受胎によるものだということか。しかしディープも決して悪くない現代王道受胎プランだ。

ラドラーダ 種付け表
 13.1.20 ティソーナ生
 13.2.19 1回目チャンス
 13.3.12 キンカメ種付け(=2回目 自然チャンス)
 14.2.5 レイデオロ生
 14.3.1 キンカメ種付け(薬剤?)
 14.3.7 1回目チャンス(↑)
 15.1.30 レイエンダ生
 15.2.21 ロードカナロア種付け(薬剤?)
 15.3.1 1回目チャンス(↑)
 16.1.24 ソルドラード生
 16.2.17 Dメジャー種付け(薬剤?)
 16.2.23 1回目チャンス(↑)
 17.1.20 アブソルティスモ生
 17.2.19 1回目チャンス
 17.3.5 キンカメ種付け(薬剤?)
 17.3.12 2回目チャンス(↑)
 18.2.5 アルマドラード生

このラドラーダ一族は非常に興味深い。やはりダービー馬レイデオロだけが自然サイクルによる受胎馬であることがわかる。

ミスアンコール 種付け表
 14.2.3 ミンネザング生
 14.3.2 ディープ種付け(=3.5 1回目自然チャンス)
 15.2.10 ワグネリアン生

ワグネリアンのケースは発情の揺れ程度に収まる3日ズレなので、これも自然サイクルかもしれない。

ウィキウィキ 種付け表
 04.2.10生 1.24〜3.24
 09.1.28 エンドレスノット生
 09.2.27 1回目チャンス
 09.3.15 ディープ種付け(薬剤?)
 09.3.20 2回目チャンス(↑)
 10.2.11 ウリウリ生
 ……
 12.2.1 レレマーマ生
 12.2.23 ディープ種付け(薬剤?)
 12.3.3 1回目チャンス(↑)
 13.1.28 マカヒキ生

マカヒキとウリウリの関係も一見すると裏表になる。私はマカヒキが裏である可能性も捨てていない。種付けとしては2頭とも現代風王道だが。

アドマイヤグルーヴ 種付け表
 00.4.30生 4.14〜6.14
 07.3.23 アドマイヤテンバ生
 07.4.14 キンカメ種付け(薬剤?)
 07.4.22 1回目チャンス(↑)
 08.3.14 アドマイヤセプター生
 ……
 11.3.12 ボージェスト生
 11.4.3 ハービンジャー種付け(薬剤?)→不受胎
 11.4.11 1回目チャンス(↑)
 11.4.21 キンカメ種付け(薬剤?)
 11.5.2 2回目チャンス(↑)
 12.3.22 ドゥラメンテ生

今回一番驚いたのがこのドゥラメンテ。活躍した姉アドマイヤセプターはいまや高額産駒を産む母として有名だが、誕生時の母発情は1回目チャンスの4.22を薬剤で早めたために4.14の種付けとなっただけで、サイクル的にはドゥラメンテと同じ扱いか。しかしドゥラメンテは薬剤の2回目という名馬の中ではあまり見ないパターンで誕生している。クラブ募集時にはあまり評価したくない「B」候補だけどね。

ヴァーチュ 種付け表
 10.2.23 サンセットスカイ生
 10.3.20 ハーツクライ種付け(薬剤?)
 10.3.25 1回目チャンス(↑)
 11.2.23 ワンアンドオンリー生

これはノースヒルズの王道路線。

ラヴアンドバブルズ 種付け表
 01.4.4生 3.18〜5.18
 08.3.28 ハブルバブル生
 08.4.27 1回目チャンス
 08.5.18 2回目チャンス
      母の良いサイクル開始
 08.5.31 ディープ種付け(薬剤?)
 08.6.8 3回目チャンス(↑)
 09.5.8 ディープブリランテ生

ブリランテはなぜか母の良いサイクルを待って種付けされたラッキーホース。自然の3回目チャンスを薬剤で仕留めたケースではあるが、テシオ的にはこれが「良い初期の1回目」とカウントされる。

アコースティクス 種付け表
 01.3.6 2.20〜4.20
 05.2.12 兄生
 05.3.14 1回目チャンス
 05.3.25 ネオユニヴァース種付け(薬剤?)
 05.4.4 2回目チャンス(↑)
 06.3.11 ロジユニヴァース生
 ……
 17.2.17 ハーモニクス生
 17.3.14 ドゥラメンテ種付け(薬剤?)
 17.3.19 1回目チャンス(↑)
 18.2.22 アドマイヤザーゲ生

ロジユニヴァースは2回目チャンスを早めて成功。1回待つからサイクル初期ではないが、そのシーズン初の種付けなら問題ないのかも。

タニノシスター 種付け表
 93.3.22 3.5〜5.5
 03.3.5 タニノベリーニ生
 03.4.4 1回目チャンス
 03.4.14 タニノギムレット種付け(薬剤?)
 03.4.25 2回目チャンス(↑)
 04.4.4 ウオッカ生

ウオッカも現代風王道。

ポインテッドパス 種付け表
 84.4.27 4.11〜6.11
 99.4.17 アグネスプラネット生
 99.5.17 1回目チャンス
 99.6.7 サンデー種付け(=2回目 自然チャンス)
 00.5.21 ネオユニヴァース生

ネオユニヴァースは90年代の種付けで、2回目とはいえ自然サイクルに入っている。

ジャングルポケット 初回発情

アグネスフローラ 種付け表
 87.6.18 6.2〜8.2

 96.3.10 アグネスセレーネー生
 96.3.18 初回発情 サンデー種付け
 97.3.2 アグネスフライト生
 97.4.1 1回目チャンス
 97.4.26 サンデー種付け(=4.22 2回目自然チャンス)
 98.4.13 アグネスタキオン生

いまこの2年連続のG1馬きょうだいを振り返ると、やはり種付けレベルとしては弟のタキオンが上位で、兄のフライトは裏である可能性さえあると思う。それでも兄はダービー馬になるんだけどw これは3歳春時点でのダービーに対する距離適性、世代レベルにも因りそう。スピードがないこと=距離が保つことと、もちろん馬体そのものが非常に優秀であることは必須だろう。

参考)母マンデラ

マンデラ 種付け表
 00.2.17生 2.3〜4.3
 08.2.18 レインボークォーツ生
 08.3.12 ディープ種付け(薬剤?)
 08.3.20 1回目チャンス(↑)
 09.2.22 ワールドエース生
 ……
 14年不受胎
 15.3.1 ディープ種付け(空胎後)
 16.2.1 ワールドプレミア生
 16.3.1 ドリームジャーニー種付け(=3.3 1回目自然チャンス)
 17.2.8 ヴェルトライゼンデ生

自分はワールドプレミアを裏とみているが、それでいて菊花賞勝ちの優秀さは空胎後産駒のリセットパワーと、裏ゆえのスピードぼちぼち&距離保つ説によると思う。ワールドエースとヴェルトライゼンデはどちらも間違いなく王道の受胎出身馬である。

今回のまとめとあとがき

いくつか面白い知見が得られたと思うが、動物のことゆえ100%当てはまるケースはないので、あとはどこまで産駒の見方に役立ちそうかで各自線引きするといいだろう。

個人的にはラドラーダ一族の結末が腑に落ちた。どの年を選んでも走っている超優秀な母の産駒をさらに選別するために、自然サイクル発情で選ぶ方法があるということか。ただしちょっと思い出したので、こんな母もいるという例を。データ長くて申し訳ない。

参考)母クロウキャニオン

07.2.20 キラウエア生
07.3.22 1回目チャンス
07.4.7  ディープ種付け(薬剤?)
07.4.12 2回目チャンス(↑)
08.3.11 ボレアス生
08.3.21 初回発情 ディープ種付け
09.3.1 マウントシャスタ生
09.3.10 初回発情 ディープ種付け
10.2.14 カミノタサハラ生
10.2.23 初回発情 ディープ種付け
11.2.5 ベルキャニオン生
11.2.15 初回発情 ディープ種付け
12.1.27 パラダイスリッジ生
12.2.22 ディープ種付け(薬剤?)
12.2.26 1回目チャンス(↑)
13.1.31 ラベンダーヴァレイ生
13.2.26 ディープ種付け(薬剤?)
13.3.3 1回目チャンス(↑)
14.2.9 クリアザトラック生
14.3.8 ディープ種付け(薬剤?)
14.3.11 1回目チャンス(↑)
15.2.19 フォックスクリーク生
15.3.15 ディープ種付け(薬剤?)
15.3.21 1回目チャンス(↑)
16.2.27 クールウォーター生
16.3.1 1回目チャンス
16.3.8 ディープ種付け(薬剤?)
16.3.22 2回目チャンス(↑)
17.2.17 ストーンリッジ生
17.3.19 1回目チャンス
17.4.4 ディープ種付け(薬剤?)
17.4.9 2回目チャンス(↑)
18.3.19 ヨーホーレイク生
18.4.13 キンカメ種付け(薬剤?)
18.4.18 1回目チャンス(↑)
19.3.25 母の19生
19.4.22 ブラックタイド種付け
19.4.24 =1回目チャンス(?)
20.4.3 母の20生
20.5.3 1回目チャンス
20.5.16 ブラックタイド種付け(薬剤?)
20.5.24 2回目チャンス(↑)

この母は超コンスタントに走る子を出すエリート繁殖として有名だが、その受胎データもまた驚くほど規則的で整然としている。この母は薬剤を使っても発情があまり早まらない傾向があるらしく(平均5日ほど。もちろん自然の時もあるだろう)、その辺を気をつけてデータを見ると、結局毎年薬剤か初回発情で種が付くらしい。すごっ。

まあ確かに生産者としてはこれ以上ない扱いやすい母である反面、ファンや馬主さんから見たとき、期待値、回収値、そして爆発力はどうなのだろうか。ご存じのように一族は金子オーナーのお気に入りであり、その辺はぜ〜んぜん心配しなくていいのだが、これがもしクラブ募集のラドラーダ一族だったら……人気ゆえ私なら自然サイクルの仔が出てくるまでちょっと様子を見たい気がする。

などなど、このデータをどこまで、いかに使うかは今後の課題としておく。

次回からはもう少しスピード系G1レースの勝ち馬たちや、牝馬の勝ち馬たちを追ってみよう。

▼歴代日本ダービー馬でみる種付けサイクル 自然チャンスで生まれた名馬たち(データ多量注意)」への4件のフィードバック

  1. サートゥルも引退即、完売?してますよね。やすいからかな?シーザリオも気になる…

    1. 種付け600万円で完売かぁ。
      この系統は今後も人気になるんでしょうね。
      日本の生産現場らしい、飛びつき具合だけれど。

  2. ちょっと!今年はラドラーダの20に気持ちが傾いてたところだったのに何という不吉なデータ笑

    ところで自然発情での種付けって空胎明けと同じくらいの爆発力がある可能性ありますかね?

    リッチダンサーの仔のフロアクラフトが裏なのにどうしてそこそこ走ったのかずっと疑問に思ってたんですけど、もしかしたら自然発情での種付け(フジキセキ)だったかもしれません。

    ちなみに1回目で不受胎だったディープインパクトも自然発情での種付けだったと思われます。

    フロアクラフトは2回目の種付けで受胎したので満点とはいきませんが、裏判定の馬が走った要因にこれが大きく関わっているなら大発見ですね。

    1. あらら、それは失礼いたしましたw
      ラドラーダは人気の母だから、コメントが難しいw
      今のところ私の中では「空胎後>>自然サイクル」ですけど、リッチダンサーのようなケースを集めることで、その重要性がもっと高くなるかもですね。
      ウインドインハーヘアの例と同じってことか……。
      本当の自然発情かどうか、個人的にはぜひ知りたいですが、いっそ知らない方が幸せかもなあ。

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