▼大前提の転換 〜初回発情を「自然サイクル」と認定する〜 3.8

今年は年初以降、YouTube動画に掛かりっきりで、ブログでは何の提言もできずにいたが、もちろんその間も何もせずにいたわけではない。研究の成果があって面白いことにも気がついたし、またあらためて過去の配合等も見返した結果、今回はとても大切なことを決めておこうと思う。

これは今年のクラブ募集馬を見る上でもすごく大きな転換点となるので、ぜひ参考にしていただきたい。

遅ればせながらの大転換

本日から、牝馬の初回発情種付けを自然サイクル扱いとする。

初回発情とは、上の仔が生まれて約8〜12日後頃に最初に訪れる牝馬の発情のことで、古くからの馬産ではまずこのタイミングを1回目の発情と捉えてきた。

ただしJRAの調査によれば、慣習として定着している初回発情ではあるけれど、その受胎率の悪さから「その後もう一度種付けを試みるくらいなら、初回発情はスキップして、最初から生後30日後の自然サイクル①回目に種付けする方が、受胎率も結果もいいよ=ぜひ30日後に種付けしてね」という結論が出ている。

このことから、畜産の素人である私は初回発情にあまり良い印象を持たなかったので、初見で「初回発情=自然サイクルの下」というイメージが固まってしまっていた。

しかしその後幾度か読者さんにも指摘され、また自分でもサイクル等別方向の研究を進めるうちに「初回発情を毛嫌いする意味がどのくらいあるんだろう」という疑問が湧き、いつかは結論づけなければと思っていたのも事実だ。

そして今回の決断のきっかけは、思いのほか近くにあった。

ふたたび「血とコンプレックス」を読み返す

この冬ずっと過去の重賞勝ち馬の成績と生い立ちを追っているドルメロは、気になることがあったら、参考としてさらに古い時代の名馬の配合を見ることがある。それはたとえばサクラ名義の名馬だったり、中島氏が手がけたという配合馬だったり、メジロ牧場時代の名馬だったりする。

そう、きっかけはそのうちの1頭、メジロマックイーンにあった。

中島氏の著書「血とコンプレックス」には、メジロマックイーン誕生までの母系の種付け日が全て記載されている。これはもちろん現在のJBISデータでは見られないから、おそらく原本の台帳を見たのだろう。私も日本にある古いデータくらいは一度全部どこかでじっくり調べたいと思っているが、ともかくマック誕生までのサイクル表はこんな感じだ。

アストニシメント 1902
 第弐アストニシメント 09.5.14 4.28〜6.28
  種光 1919
   第六オーグメント 1937
    アスエ 43.4.2 3.16〜5.16
     トモエ逆 51.5.8 ぐ× 4.22〜6.22
      アサマユリ初 59.3.17 ぐ× 2.29〜4.29
       メジロアイリス 64.4.8(4.15付) き○ 3.22〜5.22
        空
        メジロオーロラ 78.3.8(5.8付) ぐ○ 2.22〜4.22
         メジロデユレン初 83.5.1 き×
         メジロバーバラ 86.4.11
         メジロマックイーン逆 87.4.3(4.22付) き○

マックイーンの4代母トモエが初回発情種付けで、以後スピード表のサイクルは「ぐ×」に固定されている。

以後アサマユリ、メジロアイリスと初仔で続き、母のメジロオーロラは空胎後の産駒。しかし種付け日から見るに、オーロラは予定日より1か月も早い早産の仔だったらしい。

そうそう、これも新調査の中でわかったことだが、早産の仔自体がすべて競走でダメという訳ではない。過去の重賞勝ち馬の中にも10日程度の早生まれ馬はいる。馬体に何かしらの影響があってはダメだろうが、健康的なら2、3日の早生まれはあまり気にしなくていいかも。ただ、走った数自体はすごく少ないし、重賞勝ちまで考えるなら、やっぱりハンデはあると思うけど。

話を戻して、母オーロラは1か月の早生まれも何のその、中央で1勝を挙げ、牧場に戻って初仔メジロデユレン、そして5番仔としてメジロマックイーンを生んだわけだ。

そしてそのマックの種付け日こそが、兄バーバラが生まれて11日後の初回発情、4月22日であり、中島氏はこの関係性に何の違和感も抱いていなかった=初回発情は自然なサイクルのひとつ、でいいことになる。

ちなみに兄デユレンは裏サイクルの馬だとわかるが、この弟マックのサイクルはなんとも微妙。クラブデータだとやはり鉄板の「表」とは言いづらいと思う。

本当はもっと早くお伝えできたのに

血とコンプレックスは、読み返す時期によってまた新たな知見を私たちに与えてくれる。今回の件だって本来はもっと早く気がついて皆さんにお伝えできたはずなのに、そこまで気が回らなかったり、単に知識不足だったり、読み込めていなかったり…。だからまた迷ったことがあったら、何度でもこの本に戻ってくることにしよう。大切なことがサラッとさり気なく書かれていて、いやはやいまだに怖い本である。

ともあれ、こうして自信を持ってこの春から初回発情=自然サイクルと認定できてひと安心だ。

なお呼び方、データへの表記は今まで通り、初回発情(約10日後)、自然サイクル①回目(30日後)、②回目(51日後)…としていく。厳密には生後30日後の発情こそ自然サイクル②回目とすべきなのだろうが、ご存じのように初回発情にはサイクルが逆転する効果があり、そこは特別分けて考えたいので、ドルメロ流は今まで通りの呼び方=データ表記としておく。

また今年こうしてわかったことは、明かせる分だけ、クラブデータ販売前にまとめて発表する。そのうちデータ内にはどれを反映するのか、どこに迷っているのか、この項目は昨年より確実性が強まったなど、なるべく具体的にお伝えしておこうと思っている。

もちろん、月の評価クラス分けも新たに考えていかなければなるまい。

▼大前提の転換 〜初回発情を「自然サイクル」と認定する〜 3.8」への4件のフィードバック

  1. ありがとうございます。
    ドロメロさんの貴重な意見が頂けるとのことでお待ちしております。

    ブログは毎回楽しみに拝見させて頂いているのですが、月のサイクルの見解が変わったことに気付きませんでした。

    そうですね、確かに月のサイクルの判定やゼロ活性or Max活性などはユーザー各々が違う判定をしたい場合もあると思っています。ただ、そのためにはユーザー判別のためにログイン機能が必要で、実装が大変そうだなと思って後回しにしています。

    とりあえず次に、馬の検索機能ページを作ろうと思っています。そうすれば種付け日登録ありのデータの中で、賞金が高い順の馬が探せるので。

    1. 3月17日のNHK bsでヒューマニストで月太陽の生物への影響についてやってましたね。見ていなかったら一見して見て下さい…

  2. お久しぶりです。

    ドロメロさんの血統評価をプログラミングしようと思い、血統書サービスのサイトをクローリングしてデータベースにしました。
    頭二文字の名前検索の結果を集めました。なので、漢字から始まる名前には漏れがあるかと思います。
    もちろん、データベースには種付け日も含まれています。馬の登録数は37万件弱です。

    そして、そのデータベースとnetkeibaのデータを紐付けたサイトを作りました。ページ自体は簡単なもので、出馬表から各馬の血統分析結果を表示しています。

    ただし、血統書サービスのサイトにはクローリング禁止の記載があるので、一般公開しない方が良いかと思っています。

    もし宜しかったら、使って頂き、計算がおかしいところなど指摘頂くと助かります。特に月のサイクルの判定は「モズスーパーフレアの優位が動かないこれだけの血統背景」を参考に作りましたが、アーモンドアイでは逆のサイクルになっているので少し困っています。ちなみにまだサイクル逆転はまだ導入できていません。

    また、検証不十分でエラーが出ることもあるかと思いますが、随時修正していきたいと思います。

    指摘はメールにて共有して頂けたらと思います。
    よろしくお願い致します。

    1. ダイバーさん、本当にお久しぶりです。

      というか、いよいよスゴいことになってきましたね。
      ちょっと覗かせてもらいましたが、馬券派の方にはたまらないデータかと思います。

      確かに月のサイクル判定は一番頭を悩ませるところですが、あれから少しずつ理論の方も煮詰まってきて、今は月のサイクル全振りでなくともいい馬がいそうだという感触があります。また人によっては自分で計算できる方もいるでしょうから。
      おっしゃるとおり、サイクル逆転の仕組みは導入した方がいいでしょうね。その方がダイバーさんにとっても計算が簡単なんです。

      もちろんより良いデータベース構築のために、のちほど最新の私の意見、基準など詳しくメールにて述べたいと思いますが、今はちょっと忙しいので、もう少しお時間ください。
      しかし今のままでも見たい人はいるんじゃないかなあ。ホントにスゴいとしか言いようがありません!

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